岐阜県美濃市の美濃和紙の里会館にて開催された、「石井希 ペーパーからくりの世界 kuralica Paper Automata」。
会場全体を移動式遊園地やサーカスのようなイメージにしたくて、入場ゲートをつくり、いくつかのコーナーに分けて展示しました。
入ってすぐはアリスの世界。本と "Drink Me" のボトルがその入口。まずは大きくなったイメージで、目の前に現れるのは小さなお家。大量の胡椒でしっちゃかめっちゃかになっている公爵夫人の家。下にはぶうぶうと鳴く赤ちゃん。モーターにより、からくり仕掛けで動きます。
Mad Tea Party では "Eat Me" のビスケットを食べて小さくなったイメージ。トランプと珈琲カップは実寸の約5倍。カップは両手で持ってぐるっと回すとカフェラテに変わります。
キャンドルの灯りが消えると、チェシャネコの影が現れます。ケーキに添えた薔薇は美濃和紙でつくったもの。
左手には影のサーカス。和紙のスクリーンに投影された切り絵の影。その影絵の中に入り込んで撮影できるフォトスポットをつくりました。
そして美濃和紙でつくったテントの中では切り絵の影絵が回っています。瞬きしながら見るとアニメーションのように動いて見えます。テントの支柱は和紙の原料の楮の"ガラ"。
右側の空間は、ペーパーからくり作品をじっくりご覧いただくコーナー。立体だけでなく、展開図やスケッチ、図面、色の原画や道具も展示しました。どんな風に動くのか、動画を流してご覧いただきました。映像もおもしろいと好評でうれしかったです。
そして、お客さまにご参加いただきどんどん出来上がっていく参加型アート「紙の町」もご用意しました。パーツを選んで組み立てて、絵を描いて、紙ストローと一緒に設置してある棒に挿して、旗を貼ったり。
たくさんの人がご参加くださったおかげで、大きな町になりました。見れば見るほどおもしろい、ひとつとして同じものはなく、いろんな表情の、さまざまな人柄が集まっている様子は、まさに町の姿そのものでした。
最後はお家で組み立てられるペーパーからくりキットの販売コーナー。遊園地のワゴンをイメージし、たのしく賑やかに飾りました。
たくさんの人にご来館いただき、本当にありがとうございました。
最後に。この展示は私ひとりの手ではなく、たくさんの人の協力の下に完成した展示です。力を貸してくれた皆さま、ご参加いただいた皆さまに、心より感謝致します。

主催　美濃市
協力　sunui, 角文平, 栗本茂樹, 弦間友裕, 増満和玖
制作助手　諏訪萌々子, 有松美汐, 杉江皐恵, 深井蘭
設営　ナカムラマサ首, 吉永哲子

・石井希 ペーパーからくりの世界  kuralica Paper Automata  2019/07/11—08/26